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地理ダイナミズム
〜地理的観点から見る世界〜

 地球のメカニズムから各国の特徴を考えるのはとても刺激的な体験です。歴史との関わりも深いので、知り得た知識をできる限り整理して本ページで紹介していますが、私自身も勉強中のため、作成途中となっています。

◆Section1 雲と海のダイナミズム
◆Section2 雨風が生み出す気候帯
◆Section3 穀物・牧畜・果樹栽培
◆Section4 エネルギー
◆Section5 鉱物
◆Epilogue 地理で見る国々


Section1 雲と海のダイナミズム

 赤道付近で温められた空気は上昇気流となり、低緯度地域の上空で南北へ流れる風として緯度30度まで気流を形成する。このとき、北半球では進行方向右向き、南半球では進行方向左向きのコリオリ力が作用するため、低緯度上空での気流は西風となる(貿易風)。また、赤道付近の地表では気圧が低下して南北から風が吹き込むため、低緯度地域の地表付近では赤道沿いに対して気流が形成され、コリオリ力により東風となる。この低緯度地域の気流をハドレー循環という。  同様に、極地では冷えた空気が下降気流となり、高緯度地域の地表には低緯度方向向けて東風が吹く。また、極地の上空では気圧が低下して低緯度方向から風が吹き込むため、高緯度地域の上空では極地に向けて西風が吹き、地表付近の東風と合わせて極循環という。
 さらに、このハドレー循環と極循環に挟まれた中緯度地域では、30度付近の高気圧及び60度付近の低気圧を駆動力としたフェルラ循環が生じ、地表には高緯度方向、上空には赤道方向への風が吹く。地表の風はコリオリ力に従って西風となり(偏西風)、上空においても、気圧傾度力に起因する緯度30度付近の亜熱帯ジェット気流及び緯度60度付近の亜寒帯ジェット気流をはじめとした西風が吹く。
 これらの恒常風は、地球規模の海流を生み出す。低緯度の貿易風と中緯度の偏西風の影響によって、北半球では時計回り、南半球では反時計回りの海流となる。従って、大陸の西側では、高緯度からの冷たい海流である寒流が生じ、大陸の東側では、低緯度からの暖かい海流である暖流が生じる。ただし、北半球では、高緯度にも大陸が存在するため、大西洋・太平洋では大陸西岸に海流がぶつかった後にさらに高緯度側に反時計回りの海流ができる。


Section2 雨風が生み出す気候帯

熱帯
 赤道付近。上昇気流が生じるため、雲が形成されやすく、一年を通じて多雨気候である。
乾燥帯
 熱帯で上昇した空気が下降する緯度30度付近の地域であり、雲が形成されないため雨量に乏しい。また、海から離れた大陸中央部や、海に面していても寒流であるために湿気が少ない西海岸部では、特に乾燥化が激しい。
温暖冬季少雨気候(Cw)
 緯度15度〜35度の大陸東岸に分布。熱帯と乾燥帯の間に位置し、夏は湿気に富んだ暖流から吹き込む季節風の影響で雨量に恵まれるが、冬は高圧帯と重なるため、少雨となる。
温帯冬雨気候(Cs)地中海性気候とも。
 北緯30 - 50°、南緯20 - 40°の大陸西岸部に分布。乾燥帯の北部に位置するため、高圧帯が高緯度側にずれる夏には小雨となるが、夏以外は偏西風が吹くため、一定の雨量がある。地中海沿岸、北アメリカ大陸のカリフォルニア地方,アフリカ大陸南端部,オーストラリア大陸南西部,南アメリカのチリ中央部。
温暖湿潤気候(Cfa)
 緯度20度〜40度の大陸東岸に分布。乾燥帯の北部に位置するため、夏は高圧帯に入るが、湿気に富んだ暖流から吹き込む季節風の影響もあり、比較的多雨である。気温の年較差が大きい。
西岸海洋性気候(Cfb)
 緯度40度〜65度の大陸西岸に分布。一年中偏西風の影響下にあり、暖流も相まって安定して雨量がある。夏は高緯度で冷涼、冬は暖流と偏西風の影響で温暖のため、気温の年較差が小さい。?


Section3 穀物・牧畜・果樹栽培

 小麦、トウモロコシ、米は世界三大穀物とも呼ばれる主要な穀物で、後者ほど栽培に多くの雨量が必要となります。
小麦・企業的牧畜
 小麦は腐植土に富む黒色土で良く育ちます。黒色土は、雨量が少なく、栄養土が洗い流されないステップ付近に多く、アメリカのプレーリー、ロシア・ウクライナのチェルノーゼム、オーストラリアのマリーダーリング、アルゼンチンのハンパー等に分布しています。また、小麦は、主食となり、人口を支えるために有益なため、人口の多い中国・インド等の国々、他に主だった穀物のないフランス・カナダ等でも好んで栽培されています。
 他方、小麦の栽培地域と隣接しているものの、さらに雨量が少なく作物の栽培に適さないステップ地域では、企業的牧畜がおこなわれています。代表的な地域としては、アメリカのグレートプレーンズ、アルゼンチンのハンパー西部、オーストラリアのグレートアーテジアンがあります。
米・トウモロコシ
 小麦以外の三大穀物である米及びトウモロコシは、いずれも栽培に多くの水が必要です。特に、米の栽培には、水田を維持するための膨大な水が必要なため、夏季のモンスーンを利用して、主に東南アジア・東アジアで栽培されています。一方、トウモロコシは、雨量が多く国土も広いブラジルや、中国の畑作地域で多く栽培されています。
イモ
 イモは三大穀物ではありませんが、痩せた土壌でも栽培が可能な作物として有用です。多雨によって土壌から栄養分が洗い流された熱帯地域では、焼畑農業としてヤムイモ及びタロイモが栽培され、かつて大陸氷河に覆われていたであるために腐葉土が少ないドイツ以北の氷食地では、寒さに強いジャガイモが栽培されています。
果樹
 雨量の少ない地中海性気候では、地中深くに根を張って水を吸い上げるブドウ、レモン、オレンジ及びオリーブ等の果樹が栽培されています。実際に、フランス南部、スペイン、イタリア、カリフォルニア、チリ、オーストラリア等の地中海性気候の地域は、いずれもワインの産地として有名です。
 また、湿潤な気候でも、扇状地では川が地中に潜っているため、作物の栽培に適しません。このような地域でも、地中に根を張る果樹は水分を活用できるため、好んで果樹栽培が行われます。
西洋の気候と食文化
 ドイツ北部及びイギリスは、痩せた土壌の氷食地のため、小麦の栽培に向かず、ジャガイモが育てられます。また、ジャガイモの皮は、豚の飼料として活用できるため、これらの地域ではジャガイモと豚肉の組合せが郷土料理となっています。さらに、寒冷な気候では小麦よりも大麦が良く育つため、これらの地域はビールの産地としても有名で、ジャガイモ、ソーセージ及びビールという伝統的な食習慣があります。
 一方、ドイツ南部及びフランスでは、小麦の栽培が盛んで、主食はパンであることが多いです。また、地中海性気候にあたるフランスの南部ではワインの生産が、盛んなため、フランスパンとワインという伝統的な食習慣があります。なお、小麦の生産が可能なドイツ南部では、小麦から製造したビールが飲まれています。これがヴァイツェンです。


Section4 エネルギー

石炭
 石炭は、古生代のシダ植物が酸素に触れず保存された結果生じるため、古生代の造山運動によって多くの植物が地中に埋められた古期造山帯に多い。しかし、造山運動以外の要因で植物が酸素から隔離される場合もあるため、新期造山帯等にも炭田は存在している。代表的な産出国としては、ウラル山脈のあるロシア、アパラチア山脈のあるアメリカ、グレートディヴァイディング山脈のあるオーストラリア、天山山脈及びアルタイ山脈のある中国等が挙げられる。また、古期造山帯は無いものの、世界最大の新規造山帯であるヒマラヤ山脈と接するインドも多くの石炭を算出する。
石油
 中生代ジュラ紀・白亜紀は、マグマの活動が盛んで、二酸化炭素量濃度が高く、気温も高かったため、海洋プランクトンが大量に繁殖した。パンゲアが分裂する際に、分裂部分で土砂に埋もれた海洋プランクトンは、酸素に触れず残存し、造山運動によって石油となった。この地域が、現在のアラビア海、北海及びメキシコ湾等の油田に相当する。
水力発電
 水力発電は、雨量が多く、山岳地帯も多いフィンランド、ブラジル、カナダで盛んである。


Section5 鉱物

アルミニウム
 アルミニウムの原料であるボーキサイトは、水に不溶のため、多雨によってボーキサイト以外の成分が土壌から洗い流されるブラジル及びオーストラリア北部等の熱帯地域で多く採掘される。また、ボーキサイトからアルミニウムへの精錬工程は、膨大な電気を消費するため、石炭が豊富なオーストラリア・ブラジル、水力が豊富なフィンランド等で盛んである。

 鉄鉱石は安定陸塊に多く分布しているため、オーストラリア、ブラジル及び中国での産出量が高い。
銀・銅
 マグマと接した地下水は高温となり、マグマ中の銀・銅を溶解する。熱水が岩盤の割れ目を通り抜けながら冷却され、pH等の条件も変化するにつれて銀・銅が析出し、熱水の通り道に鉱脈が形成される。従って、銀及び銅は、新規造山帯に多く、チリ、ペルー、中国及びメキシコ等が主要な産出国である。
レアメタル
 マグマ中の成分のうち、鉱物に取り込まれにくい元素は深成岩の形成時に取り残され、ペダマタイトと呼ばれる結晶を形成する。この結晶は、リチウム・ベリリウム・ウラン・レアアース等のレアメタルを含有しており、貴重な資源である。中国に多い。?


Epilogue 地理で見る国々

オランダ
 EUの窓口。ライン川の河口であるユーロポートを持ち、運河により接続されたドナウ川を用いてヨーロッパ各地に物資を運搬する。ロシアの最大輸出国。
メキシコ
 NAFTAの一員であり、アメリカへの無関税を利用して多数の自動車工場がある。
インド
 アメリカと時差が12時間あり、英語が公用語であることも活かしてIT業界が発達。
フィンランド
 電力の9割以上は水力発電である。北海油田から得られる石油もあり、豊富なエネルギーを活かしたアルミニウムの精錬が盛ん。
フランス
 自国産業の育成に注力せず、外交が英米との同盟関係に左右されてきた歴史的な経緯から、徹底した自前主義をとっている。軍事産業と関わりの強い飛行機・自動車産業に多額の国費を投じているほか、石油に依存しないエネルギー政策を進めるために原子力発電が盛んである。
ブラジル
 ボーキサイトの生産が盛んな上、水力も豊富なため、アルミニウムの生産量が高い。アルミニウムから得られる軽量高耐久の合金であるジュラルミンと、欧州に近い立地を活かして、多くの航空機を欧州に輸出している。